1.趣旨
近年、様々な障がい、例えば、自閉症スペクトラム障がい・注意欠陥/多動性障がい(以下AD/HDと略す)・学習障がい(以下LDと略す)と呼ばれる発達上のつまずきやそれらの障がいが疑われる児童とその家族の支援への関心が高まっています。関心が高まっている理由は、これらの障がいが学校や社会への適応を困難にし、不登校や引きこもりにつながることもあると言われ、また、日常生活を困難にする場合があるためです。
これらの障がいは、ソーシャルスキルトレーニングや環境の調整など適切な支援がなされば、人々へのクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life。人生の内容や社会性にみた生活の質。以下QOLと略す。)の改善が期待できます。そのためには、幼児期から成人期を通して、その時々に必要な支援を受けられることが望ましいのですが、倉敷市の福祉施策においては就学前の日中一時支援や児童デイサービスは充実が図られてきてはいるものの、就学後の組織だった支援は乏しいと言わざるを得ない状況です。
また、これらの障がいを持つご本人だけでなく、ご家族も対応に困難を感じていたり、困難さから心理的問題をかかえてしまう場合もあり、ご家族への支援も必要です。ご家族への支援は、タイムケアやレスパイトに限らず、ご家族にも療育の考え方や技術を身につけていただき、今後、ご家族で問題に対応できるようエンパワーメントしていくことが必要であると考えています。
さらに、これらの障がいは、生得的な障がイデアルにかかわらず、ご本人のわがまま、あるいは、ご家族の育て方や愛着の問題などと周囲から誤解される場合も多く、そのことがご本人や家族のQOLを下げたり、必要な支援から遠ざかってしまう原因となっている場合もあります。そこで、普及・啓発活動を通してこれらの障がいへの理解を深めていく必要があります。
このように、現在、ご本人とご家族への支援、特に就学後の支援は不十分であると考えます。また、これらの障がいへの社会の理解も十分に進んでいるとは言いがたい状況です。支援、普及・啓発活動を継続して行っていくには、法人の設立が必要であると考えます。ただし、利用者の負担を可能な限り少なくするため、この法人は営利を目的とする会社法人は適しません。以上のことから特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えています。
2.申請に至るまでの経過
自閉症スペクトラム障がい・AD/HD・LDと呼ばれる障がいを持つご本人やその障がいが疑われる児童、ご家族は支援を必要としていますが、現在受けられる支援は不十分です。また、これらの障がいへの社会の理解も十分とは言えない状況です。私どもは、これまでスクールカウンセラーや支援員といった立場から学校内での支援を行っていましたが、ご本人やご家族のライフサイクルを見据えた長期間の支援を行うことは、個人では困難であると感じています。そのため、法人化が必要であると考えています。また、任意団体では利用者の負担が大きく、幅広く寄付やボランティアを受け入れられる体制が必要と考え、NPO法人の設立を検討しました。
平成23年7月31日